第3話・ラビット、下着を所望す

 高校時代の渡辺淳一と血統証付のお犬様に連敗したラビとみっつは、地下街へと降り立った!ポールタウンへと戦場を移す二人のサムライを待ち受ける物は!果たして、二人は生きて帰れるのか?と、適当に盛り上がった所で本編の始まり、始まり~!


 人ごみを避けつつ、前へ、前へと進む二人の男達。そう、ラビとみっつである!ロビンソンで期せずして、犬に敗れた二人は、本筋に立ち戻り、玉ちゃんへのプレゼントを求めていた・・・。
 みっつ 「よう、どうするよ?何にするか決めたか?」
 ラビ 「いや、まだだよ~。お、B’zのニューアルバムじゃん!欲しいな~。」
 店頭に大量に並ぶ、新発売のB’zのバラード・ベストを手に取りながらラビが呟く。
 みっつ 「おい、閃いたぞ!そのアルバムを玉ちゃんに贈ればいいじゃない?どうよ?」
 ラビ 「あの子さぁ、B’zは嫌いなんだよね。」
 折角の閃きを一刀両断されて、不機嫌になったみっつは怒りを隠しきれないようだった。
 みっつ 「じゃあ、お前は何がいいのよ!?」
 ラビ 「う~ん。あ、あれなんていいんじゃないか?」
 鼻の下を伸ばしたラビの視線の先には、女性用の下着売り場が!どうやら、ラビは妙な方向に情熱を傾けだしたらしい。
 みっつ 「お前、マジで!玉ちゃんのサイズ知ってるのか?」
 この時のラビの顔は、今でも網膜に名前を付けて保存されている。タイトルは、[一人悦に入った兎]とでも名付けようか。
 ラビ 「当たり前だろ、聞くな。あれにするか、あの黒いのもいいな、まてよ・・・。」
 と何かブツブツと呟いているラビに対し、みっつは冷めた視線で質問した。
 みっつ 「んで、誰が買いに行くんだ?」
 ラビ 「・・・。」
 ラビは無言で再び歩き始めた。その背中をみっつが、やれやれといった体で追いかけ、二人は4プラの中に入っていった。土曜日ということもあり、人がごった返す店内を二人は進んでいった。そして・・・。
 ラビ 「やはり、ここに行き着いたか・・・。」
 みっつ 「ていうか、ここってまた下着屋さんだろうが!」
 ラビ 「駄目?」
 みっつ 「好きにしろ、俺は帰る!」
 ラビ 「悪かったよ~。じゃあ、この時計屋を見ていいか?」
 みっつ 「時計か・・・。いいよ、行こう。」
 これまでになく、真剣な面持ちで時計を見ていたラビは「すいません!」と、若くて綺麗(ここ強調!)な店員のお姉さんに声を掛けた。
 店員 「はい。どんな、時計をお探しですか?」
 ラビ 「人にプレゼントするんですけど、来年就職活動とかする人なんで、面接に着けて行けるようなのが欲しいんですが。」
 なぜかラビは、やたらとお姉さんに流し目を送っていた。そして、「彼女へのプレゼント」という言葉はNGワードなのか、ラビの口から一言も出てこなかった。そのやりとりを、少し離れた場所で見ていたみっつはマジで玉ちゃんに電話したるか!?と思っていた所に「待たせたな」とラビがやって来た。
 みっつ 「あれ?買わなかったのか?」
 ラビ 「何を言ってるんだい?今日は、偵察だよ~。俺の財布には、夏目さんが3人しか待機してないしな。」
 みっつ 「帰るぞ・・・。」
 地上に上がった二人は、すぐに別れたが、意気揚々となぜかすすきの方面に消えて行くラビとは対照的に、みっつは疲れ果てた様子で帰路に着いた。

 今回で第1話から続いてたラビとみっつの一連の珍道中のシリーズもとりあえず完結ということで、次回は新たな話になります。内容は数々の大食い伝説を残すラビのエピソードの一つから第4話「おかわり御免!」をお贈りします!ラビの食べっぷりをお楽しみに~!(笑)

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ



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